岩絵具に挑戦!

長谷川
岩絵具に挑戦!
岩絵具に挑戦!
すっかり暖かい毎日ですが、
今日は冬の某日に開かれた勉強会のご報告です。


2023年、冬のある日
劇団美術部では、画材の勉強会が開かれていました。


今回は日本画に詳しい劇団員のレクチャーで
日本画の岩絵具について学んでいきます。
普段触れたことのない画材に「へえ!なるほど!」と声をあげながらワイワイ進みます。
*気軽に画材に触れてみる会なので、岩絵具の使用に際して省略した手順もあります。

まずは、紙に滲み止め「ドーサ引き」をします。
ドーサとは膠とミョウバンを混ぜた液体。これを紙や絹に
塗っていく作業が「ドーサ引き」です。日本画では麻紙を使うそうですが
今回は、簡易で色紙を使ってみることに。
 
ドウサ液
こちらがドーサ
 
色紙にドウサ液を塗っていきます
色紙にドーサを引いていきます
 

次に下地塗りの準備です
まず胡粉を練っていきます

胡粉を乳鉢で擦り、膠を加えます。膠は前日に鍋で溶かして用意したものです。
胡粉を練っていきます
胡粉を練っていきます
 
膠液を胡粉に混ぜます
膠液を胡粉に混ぜます
 
膠液を少量ずつ混ぜて胡粉を練っていくと、小さなお団子状になります
この団子を絵皿に叩きつけていきます。その数なんと100回!

 
胡粉団子を…
胡粉を…
 
叩きつけます!
叩きつけます!

百叩きと呼ばれる技法で、
叩きつけることで膠が胡粉全体に行き渡り、
膠のツヤが出てきます。
100回か!数えよう数えよう!
とみんなでワイワイ数を数えながら叩きつけました。


次に胡粉をゆっくり丁寧に溶かしていきます
ひとつひとつの作業を丁寧に行っていきます
胡粉団子をゆっくりゆっくり溶かしていきます
胡粉を溶かしていきます
メンバーの中でこの胡粉を溶かす作業が大人気 
なんか気持ち良い 
これ、ずっとしてられるなぁ
と盛り上がりました。

よく溶けたら、これを刷毛にとって下地として紙に塗ります。
スッと白い色が色紙に載っていきます
そうか、我々は練ったり叩きつけたりして
白い絵具を作っていたのかと納得。
これで下地の準備完了です!



さていよいよ絵具を使います。
日本画の絵具には水干(スイヒ)絵具と岩絵具があるそう。

水干絵具は、貝や土を乾燥させて着色した絵具
下塗りや土台に使うことが多いそうです。
水干絵具は砕いてから、膠を混ぜて指でよく練って使います
 
粒子を砕きます
水干絵具の粒子を砕きます
 
砕いたもの
砕いたもの。これに膠を混ぜると絵具になります
 


岩絵具は天然の岩絵具と新岩絵具があり
天然は鉱物ですが、新岩絵具はガラスなどを用いているそう
新岩絵具は色数がかなり豊富とのこと

岩絵具・新岩絵具は粒子の大きさがさまざま!
粒子は、大きな粒子の1番から小さな粒子の15番ぐらいまであり
粒子の大きさで色の印象が違ってみえるようです
 
色んな色があります
色んな色があります
 
「紅樺」という新岩絵具。粒子の大きさは12番。
「紅樺」という新岩絵具。粒子の大きさは12番。

岩絵具は砕かずに粒子を絵皿に出して膠を混ぜ、指でよく練って使います。

うーん、知らないことだらけ!!
面白いです


ひと通り絵具の使い方を教えてもらったら、
あとは難しいことは考えず好きなようにやってみましょう!
となり、わーいわーいとそれぞれ好きな色を練りだしました
 
色んな色が並びます
色んな色が並びます
 

チューブから出す絵具と違い、
一色一色、練って作っていきます。
急いでパッパッと進めることはできません
慣れない画材にあたふたしながら
それぞれ楽しんで絵を描いていきます
 
それぞれ岩絵具に挑戦です
それぞれ岩絵具に挑戦です
 
粒子の大きさで色の印象も変わります
粒子の大きさで色の印象も変わります
 

 
それぞれの作品が仕上がりました!
それぞれの作品が仕上がりました!


岩絵具=日本画=古典というイメージを持っていましたが、
実際に扱ってみると、とても自由度の高い面白い画材でした。
何より絵具の粒子がキラキラとしていて、本当に美しくかわいらしいです。

日本画を観る目が変わるなぁ
次は、もっと岩絵具の良さを活かした塗り方をせなあかんな
絵じゃなくて模様を描くのも良さそうー

などなど感想が飛び交いました。
思い込みを捨てて、たくさんのことと出会うのは面白いです


今回参加できなかったメンバーもいるので、
またぜひ第二回を開催したいです。