ギャザリング公演!

香川・とらまるパペットランドにて開催の
全人協(全国専門人形劇団協議会)の演技者育成講座「創作公演ギャザリング」。
全国から4組の若手人形劇人が集まり、それぞれオリジナル作品を上演。上演後には講師を迎えてのディスカッションが行われました。
京芸は2月2日(日)に『鳥のお話』で参加してきました。
とらまる人形劇ミュージアム内での公演と、その後のディスカッションの様子をご報告。
あわせて公演直前の稽古の様子も一緒にどうぞ♪
(こちらは本当は開催前にお知らせしたかったのですが、体力尽き果てていました…。河合)
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今回は『鳥のお話』
作・美術・演出:中川生己
プロデューサー:河合有
人形小道具製作補助:長谷川友香・河合有

去年の4月より、ギャザリング公演に向けて少しずつ動き出していました。
生己さんは公演の忙しい合間をぬって脚本・プラン画を描き上げ、主役のトリさんを作り、効果音を製作・調整し、旅公演先の宿では日々稽古。
その裏ではプラン画を元に人形や小道具を作り上げていく劇団員たち。
「鳥のお話」は生己さんのやりたいことたくさん詰め込んだ作品になりました。
大道芸のようなパントマイムの要素もあり、トランクの仕掛けはマジックショーのようでもあり、見る側の創造力を膨らませる音響効果や人形操作、舞台に使う道具たちにも生己さんのこだわりがたくさん詰まっていました。
作品のテーマは
●観客の想像力にゆだねる
●生まれてきた小さな命が、健やかに育ちますよう、という願い
●どんな時でも生活は続く
トランクの中に巣を作った鳥が卵を産み、日々起こるハプニングを乗り越えながらヒナたちを育てていくお話です。
親鳥はどんなに大変な時でも、お腹を空かせて鳴くヒナたちに餌をやらずにはいられない。恐ろしい出来事も、子どもたちのためなら乗り越えられる。そして、最後にはトランクから飛び立っていく鳥たち。
個人的には、「共有する」ということがあちこちに散りばめられた作品になったように思います。
役者と観客、役者と鳥(人形)、鳥と観客。
だからこそか、上演後のディスカッションでは講師の方々、参加の方々からは
役者の存在の在り方、役者と人形との関わり方、小道具・空間の存在理由の設定などへの指摘があり、
こちら側が観客側の想像力に任せるという構造を作っているからこそ、観客はこちらの作ったところより更に広い部分(または細かい部分)への「ここはどうしてそうなっているんだろう?」という視点を持って観る、という仕組みになっていたように思えました。
脚本を書く、小道具を用意する、稽古する、その時々に選び取った「なんとなくこれ」という判断の中の、自覚していない芯、それをしっかりと覗き込んで自分の中に理由を見つけて、磨き上げるのか大きく広げるのか、はたまた削ってしまうのか。そこに用意した全てに必然性をもたせること。

灯りを一つ点けたいけれど、それはどういう動機で、その動機はあなたに伝わるだろうか? おっとその前に、どうして私は灯りを点けたかったんだろう?
そしてまた、観客に想像させることには高度な表現技術が必要なんだと感じました。
講師の方々と上演後にじっくりと作品の中身について話を聞くことができ、沢山の学びがありました。
もっと作品つくりたいなぁ!そしていろんな人と話してみたい。と感じた一日でした。

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さてさてその直前の稽古はというと・・・
実際に長谷川・河合で通し稽古をしっかり見たのは香川への出発前日の2日間。
技術的な面と心情的な面とを1日ずつ、じっくり稽古しました。
1日目は、ひとり芝居ゆえにたくさんある段取りを、稽古をしながら確認。
細かな部分を足したり引いたり…。
パントマイム、人形操作、トランクの仕掛けなどを、一場面ずつ丁寧に稽古しました。
長谷川さんの指摘によって生己さんの中から技術がどんどん引き出されていくのが印象的でした。
集中力のいる作業で、私は頭の回転が夕方には止まってしまいました・・・。
最後にはほかの劇団員にも観てもらい、感想をもらいました。

↑この日もまだ新たな小道具づくりが…。
2日目は広い稽古場に移動して、前日に劇団員に指摘された点を踏まえての稽古。
鳥や役者の心情的な部分をどう見せていくか、
脚本をもう一度しっかりおさらいし、観客と共有する部分や、役者の存在、鳥のキャラクターなどをくっきりはっきりさせていく作業でした。
役者と鳥の気持ちが場面ごとにはっきりすると、その後の段取りにも理由がついていくものなんですね。
ぐぐっとお話の中身が引き締まったように感じました。
夜にはもう一度劇団員に見てもらい、
それぞれの感じ方やわかりにくい点、提案などたくさん意見をもらいました。
そしていざ、香川へ・・・!
片付け、積み込み、旅の準備!
ほんとはもう少し書きたかったけど、まとまらなかったのでまた次回!
次の公演がある…⁉
ならば稽古も仕込みももう少し続く…⁉
