日頃より人形劇団京芸の活動を応援いただき、ありがとうございます。
劇団の存続を目指して、このたび皆様のご支援・ご寄付をお願いすることにいたしました。
どうか助けていただけないでしょうか。
劇団の状況
皆様方におかれましてもご同様かとは存じますが、新型コロナウィルスCOVID-19の大流行により、劇団事業も大きく影響を受けました。2020年春からの6ヶ月間の収入は例年の9割減、端的に云えば壊滅的な状態です。
そもそも劇団の財務状況はコロナ禍以前にも順風満帆とはいかず、劇団員の想いと工夫によってなんとか続けているといった具合でしたので、この1年間の状況はとてもこたえました。
劇団を畳むこともやむをえないかもしれないと検討してきましたが、秋以降の公演事業は感染防止策をとりながらなんとか復調してきていることもあり、「もう少し、頑張ってみよう」と決意いたしました。
20年春に緊急事態宣言が出されていた頃、劇団を心配してくださる声がたくさん届きました。公演事業でお世話になっている方、元劇団員の先輩方、かつて公演や組織づくりに一緒に取り組んだ方。
そんな中で「京芸は寄付を募集したりしないの?」というお尋ねもありました。
ご寄付をお願いすることは選択肢としてもちろんありました。しかしながら当時の状況は、劇団をあと1年続けられるかどうかも分からない、「お客さんを集めて目の前で人形劇を上演する」ということ自体がひょっとしたら今後できなくなるのかもしれない、といった具合であり、劇団がいつ倒れてもおかしくない見通しの中で皆様に寄付をお願いする声を上げることはできませんでした。
けれども、そうして劇団が不安を抱えて状況を見ている間にも、「昔世話になった、懐かしい」「こんな時だけど頑張って」「今、とにかく京芸を応援したい」等々の言葉とともに、たくさんのカンパをいただきました。
また今、学校や園での人形劇公演の後に、春・夏から延期されたり感染症対策のために通常とはちょっと違う形であったりしても「とにかく久し振りに子どもたちが一緒に楽しめた」「この春に入った子らに初めて見せてあげられて良かった」と笑顔で言っていただけます。
感謝の思いが溢れるとともに、自分達のこれまでの取り組みの意義を再確認し、劇団として「これからどうしていくか」を改めて考えさせられました。
人形劇への想い、京芸への想い
人形劇は確かに「誰にとっても必要」なものではありません。しかし「誰かにとっては不可欠」なものであり、それは時に生きる力そのものにすらなる。
これからも、その誰かに届けていきたいのです。
1949年に「京都芸術劇場」として発足してから72年間、人形劇専門の「人形劇団京芸」として分離・独立した1960年から61年間、劇団は「劇というも面白いもの」に向き合い(それと同時に貧乏とも向き合い)、研鑽を積み重ねて参りました。幾百もの先達によるその流れの先で今も、私達は人形劇を届けています。
劇団とのお付き合いが長い方が作品をご覧になった時に、「京芸らしさ」といった言い回しの中で叱咤激励をいただく機会がままあります。或いは劇団内で作品の話をする際に、「京芸らしさ」という視点から意見が出されることも多くあります。
劇団の今の作品が好きな自分達が居て、その自分達が好きな次の作品を作り上げていく循環の底に、70年の蓄積が確かに横たわっていると感じます。
劇団では現在までに400を越える人形劇を演目として持ち、観客に届けてきました。作品の主題は様々ですが、子ども達に向けた作品では通底している世界観があります。
「“好き”を忘れずに前を向ければ、この世界はそんなに悪くない」
これまでに何万回と上演され、その度に作品世界で確かに生きた主人公たち、彼らに対して恥ずかしくないよう、私達も前を向き、もう少し足掻いてみようと決意しました。
これまでの劇団の悪戦苦闘が、私達の情熱が、間違ってはいないのだと証明させてください。
ご支援よろしくお願い申し上げます。