阪神淡路大震災で自らも仮設住宅で暮らしていたしんやひろゆき氏の「子どもたちが元気になる物語を!」との想いで書かれたこの物語。
“現実”なんかに挫けてられるかい、大っきな夢持っていこや!そんな、子どもたちへの熱っつい応援歌です。
おはなし
小学五年生の陣平の夢は「漫才の星」になること。その夢に向かって、今日も相方の哲平と練習に励んでいたが、哲平は兄の間平とコンビを組みたいと言い出し、コンビを解消することになってしまう。
相方を失った陣平は、あまり仲のよくないブチにツッコミの才能を見出し、嫌がるブチをあの手この手で説得する。ようやく新コンビを結成し、いよいよ目指す漫才コンクールが近づいたある日、今度は哲平に大事なネタが盗まれた!
果たして陣平は漫才コンクールの舞台で輝く「漫才の星」になれるのだろうか?
みどころ
表情豊かな大きな人形たちが舞台狭しと駆けずり回り、「ホントに吹き出るフキダシ」や「文字通り笑いのビッグウェーブ」「そこらを動き回る電話」などなど、さまざまな人形劇的遊び心も盛り沢山。
もちろんクライマックスの漫才コンクールで披露する漫才ではお腹をよじれさせます!
演出家より
子どものころ、プロ野球の選手になりたかった。それがサッカー・歌と変わっていって…。
なれなかったのはもちろん才能がなかったからだけれど、何より「なりたい」という想いが足りなかった。ちょっとしたことですぐに諦めたりして…。
この人形劇の陣平という子どもは、こともあろうに漫才に夢中になっている。「漫才の星になるんや!」と想いだけは誰にも負けない。
陣平の漫才は面白いわけではない。どちらかというと、夢中になっている様子の方がおかしい。そんな陣平のへこたれない前向きさを舞台で見せたいと思う。
今、弱くなり過ぎている時代を叱咤激励するように、陣平を思い切り走らせてみようと思う。漫才の星に向かって!