おはなし
カッパのメッケは、淵のみんなが行く滝の上流での「夏越しの相撲大会」に連れて行ってもらえず、とどろヶ淵でおるすばん。
しばらくすると、メッケは滝の水が止まっている事に気づきました。
「よし、自分の目で確かめにいこう!」
メッケは、ソッカやヨッシャという仲間といっしょにケンカしながらも協力し合って滝を登っていきます。
途中、正体不明の「ウロウロ」や、イジワルな大亀など こまった事がいっぱい! メッケたちは、水が止まってしまったナゾを解く事が出来るのか!?
みどころ
【会場が水中世界に。】
静かな水の中、キラキラ光る水面、轟々と流れ落ちる滝、水の中の生き物たちなど、人形劇ならではの様々な水の表現で観客を魅了します。
【他人と違うのは悪いことじゃないんだ】
メッケは未知のものを「見て」いるだけで満足している。ソッカはよくわからない書物を読みあさりいつもカリカリしている。ヨッシャはよく考えずに突っ走って動く。
主人公たちは周りとちょっとだけズレていて、ちょっとだけ生きにくい。
しかし、そんな3人がいがみ合いながらも互いを認め合い、力を合わせてカッパの世界を救います。
「ぼくが出来ないことを君がして。君が出来ないことをぼくがするよ」
【仲間を信じて覚悟の決断!】
物語の最後、メッケはもう戻ってこられないかもしれない異世界に行って、自分自身と引き換えに、消えたカッパ族みんなを助けるかどうかの決断を迫られます。メッケは恐怖しますが、一緒に旅をしてきた仲間のソッカとヨッシャを信じ、異世界への入り口に飛び込みます。
「ソッカ、ヨッシャ。ぼくは行くよ。きっとぼくを連れ戻してね!」
メッセージ
主人公のメッケは、持って生まれた特性がゆえに、他人とあまり交わらず、自分の興味の中だけで生きています。
そんなメッケが滝の水が涸れた原因を探りに向かいますが、途中で頭でっかちな女の子河童のソッカや、力自慢だけどうっかり者のヨッシャと出会います。3人は最初はぶつかり合いながらも、冒険を共にするうちに互いの個性を認め合うように。
立場の違いによって「良い」「悪い」と決めつけられがちな「個性」ですが、違う価値観を認め合った先に新しい世界が見えてくる。この作品を観た子どもたちが、自分ファーストでなく、他者とも認め合い成長し、今よりも広い世界に飛び出せるように。そんな希望を込めました。